HOME Ken & Mary's Second Life

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Ken&Maryの日曜名画座
K&Mセカンドライフ名画鑑賞録
毎日が日曜日KenとMaryのSecondLife
『一日一膳』 『一日一名画』 日曜名画座
 道  1954年(イタリア)   ★★★★★   ミニバー夫人   1941年(アメリカ)  ★★★★ 
監督 フェデリコ・フェリーニ 主演:アンソニー・クイン ジュリエッタ・マシーナ
   アカデミー外国語映画賞を受
主演:グリア・ガースン
あらすじ あらすじ

貧しい上に少々足りない娘ジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ)は、オートバイで旅まわりをする曲芸師ザンパノー(アンソニー・クイン)の助手となって旅に出た。ザンパノーの呼びものは、胸の力で鎖を切ること、それに疑い深く、狡猾と欲情にこりかたまった男である。彼はさっそく暴力によってジェルソミーナを妻にし、金ができれば他の女を追いかけまわしている。ジェルソミーナのやさしい心も彼には通じない。脱走してもつかまってしまう。ちょうどその頃、二人は小さな曲馬団に参加した。ところが、その一団にいる若い綱渡り−−人々から「キ印」と呼ばれている青年(R・ベイスハート)が、ことごとにザンパノーをからかい、彼が怒るのを見て手をたたく。本能的に、彼はザンパノーが気にくわないのだ。しかしジェルソミーナは、「キ印」がひくヴァイオリンの哀しいメロディに引きつけられ、彼と親しく口をきくようになる。「キ印」は彼女に、この世のどんなつまらないものでも、役に立つ時があるのだ、と語った。頭の足りないジェルソミーナも、この言葉には胸をうたれた。自分の運命はザンパノーと共にある……。「キ印」とけんかし、再び旅に出たザンパノーについて、彼女も苦しい日々を送りつづける。ところがある日、途上でザンパノーと「キ印」は顔をあわせた。そしてザンパノーは、怒りのあまり「キ印」を殺してしまった。誰も見てはいない。ザンパノーのオートバイは旅から旅へと逃避行をつづける。しかしこの事件はジェルソミーナに大きな打撃を与えた。昼も夜も泣き通しである。遂にもてあましたザンパノーは、雪の埋った山道に、彼女を棄てて去った。それから数年後、年老いたザンパノーは、ある海辺の町で、ジェルソミーナが好んで歌った「キ印」のヴァイオリンのメロディをきいた。聞けば、四、五年前この町で病死した気違い娘が、いつもこのメロディを聞かせていたという。その夜、酒に酔ったザンパノーは、海浜に出て、はじめて知る孤独の想いに泣きつづけるのであった。
goo 映画

ロンドンから程遠くないイングランドの小さい町ベルハムに、ミニヴァー夫妻は幸福な家庭をもっていた。ナチが始めた戦争にいつ英国も加わらねばならぬか分からないが、ベルハムは平和で、駅長バラードもバラの花を展覧会に出そうと丹精している。ミニヴァー夫人がロンドンで帽子を買って帰ると、駅長はバラの花に『ミニヴァ夫人』と命名させてくれと頼むのだ。その日クレム・ミニヴァーも身分不相応な自動車を買い、帽子にぜい沢した夫人と共にテレるのであった。ミニヴァー家には小さいトピーとジューディのほか、オクスフォード在学中の長男ヴィンがあった。駅長がバラを出品すると発表したために町は騒ぎ立った。というのは毎年1等賞は町のお邸の老夫人レイディ・ベルドンが取る習慣だからである。翌日、老夫人の孫娘キャロルはミニヴァー夫人を訪れ、祖母を失望させないで頂きたいと頼み込む。大学から帰宅していたヴィンは、下層勤労者階級の生活権について大学研究している折でもあり、ベルドン夫人の封建生を避難して、キャロルと議論したのであるが、それが縁で2人は心をひかれ合う。ダンス会のあった翌日、教会では牧師が英国の参戦と国民の覚悟について説教した。ミニヴァー家のお手伝いグラディスは早速看護婦に志望して出征する。ヴィンも空軍に志願を決意し、キャロルにその事を告げ、愛を告白する。ベルリドン老夫人は孫が中流の平民の息子と親しくするのを好まなかったくらいだったが、戦争は老夫人の心持ちを変えたとみえ、キャロルとヴィンの婚約が発表される。その夜ヴィンには召集令が来た。クレムはダンケルクの危機の報を聞くと、町の人々と共にモーター・ボートでテームズ河を下り、ダンケルク撤退の英兵救出に力添えをした。夫がダンケルクへ行っている留守、不時着して傷ついたナチの飛行士が台所に逃げ込んでいるのに、ミニヴァー夫人は驚いたが、沈着に事を処理して彼女は男を警察に渡す。賜暇で帰ったヴィンはキャロルと結婚し、新婚旅行から帰ると花の展覧会が開かれたところで、ベルドン夫人は1等賞を与えられたが、夫人はそれを駅長に贈った。空襲警報が鳴りヴィンは飛行場へかけつけ、ミニヴァー夫人とキャロルは帰宅の途中、空襲にあった。キャロルは重傷を受け、ミニヴァー邸も倒壊した。ヴィンが帰って来た時にはキャロルは死んでいた。半壊した教会で牧師は、勇気をもって戦えと説くのであった。




ミリオンダラー・ベイビー2004年(アメリカ) ★★★★  
身代金 1996年(アメリカ) ★★★ 
主演:クリント・イーストウッド 
アカデミー賞作品賞/監督賞/主演女優賞/助演男優賞受賞作品  
主演:メル・ギブソン
あらすじ あらすじ

トレーラー育ちの不遇な人生から抜け出そうと、自分のボクシングの才能を頼りにロサンゼルスにやってきた31歳のマギー(ヒラリー・スワンク)。彼女は、小さなボクシング・ジムを経営する名トレーナーのフランキー(クリント・イーストウッド)に弟子入りを志願するが、女性ボクサーは取らないと主張するフランキーにすげなく追い返される。だがこれが最後のチャンスだと知るマギーは、ウェイトレスの仕事をかけもちしながら、残りの時間をすべて練習に費やしていた。そんな彼女の真剣さに打たれ、ついにトレーナーを引き受けるフランキー。彼の指導のもと、めきめきと腕を上げたマギーは、試合で連覇を重ね、瞬く間にチャンピオンの座を狙うまでに成長。同時に、実娘に何通手紙を出しても送り返されてしまうフランキーと、家族の愛に恵まれないマギーの間には、師弟関係を超えた深い絆が芽生えていく。そしていよいよ、百万ドルのファイトマネーを賭けたタイトル・マッチの日がやってきた。対戦相手は、汚い手を使うことで知られるドイツ人ボクサーの”青い熊“ビリー(ルシア・ライカー)。試合はマギーの優勢で進んだが、ビリーの不意の反則攻撃により倒され、マギーは全身麻痺になってしまう。寝たきりの生活になり、やがて死を願うようになった彼女。フランキーは悩みながらも、マギーの呼吸器を外して安楽死させてやる。それから彼は、長年の友人である雑用係のスクラップ(モーガン・フリーマン)らを残し、自分のジムから姿を消してしまうのだった。




出典:goo映画

ニューヨーク。ここ10年で全米で五指に入るまでに急成長した航空会社の社長トム・ミューレン(メル・ギブソン)は、目的のためには手段は選ばないやり方で現在の地位を築いてきた。美しい妻ケイト(レネ・ルッソ)と9歳の息子ショーン(ブローリー・ノルティ)に囲まれ、人生の絶頂にあったかに見えた。そんなある日。ショーンが何者かに誘拐され、「200万ドル用意しろ」という電子メールが送られてきた。事件を迅速に解決したい彼は、犯人の要求通りに身代金を払おうとするが、ショーンの身を案じるケイトはFBIに事件を委ね、ホーキンス捜査官(デルロイ・リンド)以下の対策チームが到着する。トムは、工場のストライキを阻止するべく不法な買収行為を行ったことがあったが、そのために逮捕されて彼を恨んでいるブラウン(ダン・ヘダヤ)の仕業ではないかと疑う。だが、彼は犯人ではなかった。犯人グループの黒幕は市警のベテラン刑事ジミー・シェイカー(ゲイリー・シニーズ)で、仲間は彼の情婦マリス(リリ・テイラー)、チンピラのカビー(ドニー・ウォルバーグ)とクラーク(リーヴ・シュライバー)の兄弟、コンピューターの専門家マイルス(エヴァン・ハンドラー)だった。48時間後、再び犯人から連絡が入り、身代金の受け渡し方法を指定する。FBIの勧めを断り、トムは自ら現場に向かうことにした。犯人一味の計画は緻密かつ周到で、携帯電話で逐一入る指示に従い、トムは町中を振り回される。ニュージャージーの指定場所に着き、息子の居場所を記したアドレスと引き換えに身代金を渡そうとするトムに、待ち受けたドニーが銃を向けた。その時、FBIのヘリコプターが男を発見し、男はあっけなく射殺されてしまう。犯人一味はショーンを解放する気などないのではないか、という恐ろしい疑念にとりつかれたトムに、犯人から電話が入る。ショーンの生存を確認し、新たな希望が沸いたトムは、犯人に身代金を渡すことを断固拒む。TV局に向かった彼は特別番組を組ませ、200万ドルの札束の山を前に「これは渡さない。お前の首に懸けた賞金にする」と犯人に対して宣戦布告。誘拐犯人を脅迫するという前代未聞の行為は犯人に動揺を与え、ジミーはケイトに接触して、賞金を取り下げなければ息子を殺すと脅迫する。だが、それを知ったトムは逆に、賞金を倍額につり上げた。自分の身が危ないと察したジミーは3人の仲間たちを口封じのために殺し、その際にマリスと撃ち合って負傷した。彼は犯人のアジトを偶然発見し、ショーンを救った英雄として脚光を浴びる。傷も癒えたジミーは高飛びするため、懸賞金の400万ドルを受け取りにトムの前に現れた。だが、彼を見たショーンの様子から、トムはジミーの正体に気づく。ジミーは銃で脅迫して金を要求、トムは銀行へ行って口座に振り込むことを提案した。だが、機転をきかせた彼の連絡で、ホーキンスらFBIが現場に急行。警官に発見されたジミーは、市街で銃を乱射して逃走。その後を追ってジミーをとらえたトムは激しく殴りつけ、彼の銃を拾って構えた。追い詰められたジミーがもう一丁の銃を撃とうとした時、トムが正当防衛で銃で撃ち、次の瞬間、ジミーは警官隊の一斉射撃に倒れた。




ミス・ポター  2006年(アメリカ・イギリス)  ★★★★  未知との遭遇  1977年(アメリカ) ★★★★   
主演:レニー・ゼルウィガー 監督:スティーヴン・スピルバーグ  主演:リチャード・ドレイファス 
第50回アカデミー賞撮影賞 
あらすじ あらすじ

1902年、ロンドン。まだ封建的な空気が漂う時代の中、上流階級の32歳の独身女性、ビアトリクス・ポター(レニー・ゼルウィガー)は、作家として生きることを夢見ていた。幼い頃に湖水地方で出遭った動物たちの絵に物語を添えて、絵本として世に出したいと願っているのだ。そして、ついに出版を引き受ける会社が現れる。作品に惚れこんだ編集者のノーマン・ウォーン(ユアン・マクレガー)の熱意もあり、「ピーターラビットのおはなし」と名づけられたウサギと仲間たちの物語は、驚異的なベストセラーとなった。ポターは、独身を謳歌するノーマンの姉ミリー(エミリー・ワトソン)と親友になり、最大の理解者であるノーマンとは恋心を育んでいった。しかし二人の仲を、家柄の違いにこだわるポターの母ヘレン(バーバラ・フリン)が大反対。口をきかなくなったポターに心を痛めた父ルパート(ビル・パターソン)は、夏が過ぎて秋が来ても気持ちに変わりがなければ、二人の結婚を認めると約束した。しかしノーマンは、秋が来る前に急死。悲しみに打ちひしがれるポターは、子供時代を過ごした湖水地方に一人で移り住む。そこで幼なじみの弁護士ウィリアム・ヒーリス(ロイド・オーウェン)と再会。彼と生涯二度目の恋におちたポターは、やがて結婚。さらに世界的なベストセラー作家になっていた彼女は、自ら農地を買い取って、湖水地方の自然とそこに暮らす人々の生活を守る活動を始めるのだった。






砂漠。砂塵の中に第二次世界大戦に使われたらしい戦闘機の姿がみえる。それは、真新しく、20数年前の消失当時と同じ姿だ。調査団一行のリーダー、ラコーム(フランソワーズ・トリュフォ)により、発見の様子は語られる−−。又、インディアナポリスの交信コントロール・センターのスクリーンに未確認飛行物体の姿が写し出され、TWA機より、不思議な物体を見たという連絡が入る−−。同じ頃、インディアナ州のある人里離れた一軒家に奇妙な事が起こる。バリー(ケイリー・グッフィ)という少年が、周囲の物が震動するので目をさまし、何物かに引かれるように家をとびだしていったのだ。母親ジリアン(メリンダ・ディロン)は、彼のあとを追う。そして、一方、同じ町に住む電気技師ロイ(リチャード・ドレイファス)は、この一帯の停電を調べるため車を走らせていた。そこへ恐ろしい光が……。ロイは、この光を追い、バリーやジリアンに出会う。そしてUFOらしき光が空を横切った−−。やがて、ロイは怪光にに夢中となり、会社もクビとなり、妻ロニー(テリー・ガー)と子供達にまで逃げられる。またラコーム達は、UFOとのコミュニケーションの可能性を見い出す。ジリアンは失踪したバリーをさがし、一方ロイはこの異常なミステリーの原因を解こうとした。そして、ロイのイメージは『山』にひっかかり、その山の模型を作るようになる。ジリアンも自らのイメージの山の絵を描き、それは、ワイオミング州にあるデビルズ・タワーであることがはっきりした。そして今、その山は、毒ガス発生のため付近の住民に避難命令が下されていたのだ。そしてその山こそは、今までこの怪事件に出会った人々のイメージの中の山だった。そう、これこそがUFO、つまり異星人との接触が予定されていた地点なのだ。政府はこれを隠そうとしている。この出来事をひろめてはならない。だが、ロイとジリアンは追手をふりきり、ついに、このデビルズ・タワーに登る。そして、そこで見たものは。そして、ここで彼らが経験したものは、今まで人類が誰一人として経験したことのないことであった−−大きなUFOの母船(マザー・シップ)が降りてくる。その輝くばかりの船体。そして、今まで行方不明であった人々がその中より降りてくる。あの戦闘機の乗員が、あのバリーが降りてくる。やがて、ぼんやりとした中から、手の長い異星人が降りてくる。そして異星人は、今しずかに人類に向かってほほえみかける−−。人類史上初の異星人との触合−−、この一瞬に人々はたちつくす。やがて、ロイも含めた地球人の代表団は、母船に乗りこむ。彼ら異星人の星へ行くために−−。間もなく、ひかりかがやく母船は静かに上昇していく。そして今、人類は新たなる世紀の時へ歩もうとしているのだった−−。




ミクロの決死圏   1966年(アメリカ)  ★★★ ミッシング 1982年(アメリカ) ★★★★
主演:スティーブン・ボイド
アカデミー美術賞・視覚効果賞 受賞
監督:コスタ-ガヴラス
主演:ジャック・レモン, シシー・スペイセク, メラニー・メイロン
カンヌ国際映画祭最高賞パルム・ドール男優賞・アカデミー賞脚色賞
あらすじ あらすじ

物体を細菌大に縮小し、長時間体内に浮遊しうる研究を完成した、チェコの科学者ヤン・ベネス博士がアメリカに亡命してきた。しかしアメリカへ着くや敵側のスパイに狙われ、車に乗っているところを襲われ、博士は脳出血を起こし倒れた。現在のアメリカの医学では、博士の研究の初歩の段階までしか進んでいず、体中に潜りこむことは1時間しかできなかった。だから、長時間潜行を知るためには1時間だけでも博士の脳内に潜り博士を助けねばならない。医学史空前の試みがここに挙行された。潜行艇に医師と科学者を乗せ、ミクロ大に縮小し、それを博士の頚動脈に注射することにより、博士の脳内出血部に到達させ、レーザー光線で治療する、というのであった。潜行艇プロテウス号は、脳外科医デュバル(アーサー・ケネデイ)、その助手コーラ(ラクェル・ウェルチ)、循環器の専門医マイケルス(ドナルド・プリーゼンス)、海軍大佐オーウェンス(ウィリアム・レッドフィールド)、それに特別情報部員グラント(スティーブン・ボイド)の5人を乗せて博士の体内に潜入していった。無論外部とはリモート・コントロールで絶えず緊密な連絡をとることは言うまでもない。しかし、実際に潜行艇が血管内を潜行してゆくと思いがけないことが突発した。血管の内皮壁に微細な割れ目があり、とかく艇の進行が遅れがちだし、心臓の鼓動は進行を妨げた。彼らは60秒間博士の心臓を止めて、やっとのことで通過、さらにリンパ節内に入っていった。しかしここでも海草のような網状ファイバーに絡まれ艇は壊滅寸前となった。そこでグラントとコーラ、マイケルスが艇外に出て絡みついたファイバーを必死で除去、正に九死に一生の難事だった。ようやく艇が脳に入った時、余す時間は6分しかなかった。グラントの超人的な活躍で脳の治療を終えた時、突如外部との連絡が絶えて、艇が破壊した。マイケルスが敵側に通じてい、裏切ったのだった。絶体絶命の危機。後4分のうちに体外にでないと博士の生命は無論、彼らも消滅してしまう。出口を捜さんと4人が必死になっていると、後方から1点の光明がグラントを捉えた。それはバネス博士の目から入る光線だった。涙腺を刺激し、涙とともに体外へ脱出、時間はもはや分をわって秒台に達していた。すばやくミクロ拡大機にあてられ、4人は無事に決死の大冒険に成功した。

73年、チャールズ・ホーマン(ジョン・シェア)と妻のべス(シシー・スペイセク)は、世界の現状を自らの目でみようと旅に出て、今は南米某国に住んでいた。チャールズはそこで小説を書きつつ、友人のフランクや、デイビッドが関わる「フィン」という非営利のラディカルな雑誌の翻訳も手伝っている。8月末、ニューヨークから、もう1人の友人テリー(メラニー・メイロン)が来た。チャールズは彼女の帰国前日、リゾート地、ビーニャ・デル・マールヘ日帰り旅行に出かけ、その夜、クーデターが起こった。世界初の自由選挙による人民政府が、軍によって覆されたのだ。ビーニャで足止めをくった2人は、朝の食卓でバドコックというアメリカ人と出会う。海軍の要請で来てると口をすべらす男。町には、なぜかアメリカ人が多く、軍服姿も目立つ。メモをとり出すチャールズ。結局2人は、米軍関係の上層部のタワー大尉(チャールズ・チオッフィ)に送られ、戒厳令下の首都に帰り、ホテルに1泊後、ベスの元に帰った。往来には死体が転がり、検問所が数カ所おかれている。空港は閉鎖され、チャールズとテリーは、記者のニューマンに会い、ビーニャのアメリカ人の事は忘れた方がいいと忠告され、チャールズはホテルの前でテリーと別れた。一方、フランクたちの様子を見に行ったベスは、銃声の行きかう街角で一夜を明かし、帰宅すると、家は荒れ放題で、夫の姿はなかった。チャールズの失踪を、べスは義父であるニューヨークのビジネスマンで、地位と財力に恵まれたエドワード・ホーマン(ジャック・レモン)に知らせる。1人息子の失踪に呆然となり、ホーマンは南米某国へ飛んだ。出迎えのベスに冷たい態度をとるホーマン。大使館に捜索を依頼するがアテにならないまま、2週間が過ぎ、主義主張、生き方の異なるホーマンとベスは反発し合う。しかし、領事パトナムを始め、大使館側は「友人のリストを出せ」と迫るばかりで、近所の人の話ではチャールズは彼らの家から軍に拘引され、政治犯が収容されているスタジアムに連れていかれたらしいとの情報から、ホーマンとベスの間のわだかまりは消えていく。病院まわりをし、スタジアムにも行く2人。アメリカの陰謀の影がちらつき出した。ある日、ニューマンの案内で難民の1人パリスからチャールズらしき囚人を見たとの情報を得、死体置場で射殺されたフランクの死体を発見。次の日、ホーマンはフォード財団で息子の死を知る。拉致された3日後にスタジアムで処刑されたというのだ。怒りを爆発させたホーマンに、大使は、息子さんは首を突っこみすぎたというだけだった。ベスと共にアメリカに帰国したホーマンは、ヘンリー・キッシンジャーを含む11人の公人を息子の死を共謀・放置したかどで告訴した。スタジアムの壁に埋められたチャールズの遺体は7カ月後に戻ってきたが、検死は不可能な状態。係争数年を経て、訴えは証拠不十分で却下された。




ミツバチのささやき  1973年(スペイン) ★★★ ミュンヘン 2005年(アメリカ) ★★★
主演:アナ・トレント   イサベル・テリェリア
監督 スティーヴン・スピルバーグ 出演 エリック・バナ ダニエル・クレイグ
あらすじ あらすじ
1940年頃、スペイン中部のカスティーリャ高原の小さな村オジュエロスに一台のトラックが入っていく。移動巡回映写のトラックで、映画は「フランケンシュタイン」。喜ぶ子供たちの中にアナ(アナ・トレント)と姉のイザベル(イザベル・テリェリア)がいた。その頃父のフェルナンド(フェルナンド・フェルナン・ゴメス)は、養蜂場で、ミツバチの巣箱を点検する作業をしている。母のテレサ(テレサ・ジンペラ)は、室内にこもって、内戦で荒れはてた家や人々の様子を手紙に書き綴っている。いったい誰に宛てている手紙なのか、毎週のように、駅に向かい、列車に投函する。公民館のスクリーンには、少女メアリーが怪物フランケンシュタインと水辺で出会う美しいシーンが展開している。そのシーンに魅入られたアナは姉からフランケンシュタインが怪物ではなく精霊で、村のはずれの一軒家に隠れていると聞いた。学校の帰りにアナはイサベルに村のはずれの一軒家に誘われた。そこに精霊が住んでいるというのだ。別な日に一人でそこを訪れるアナ。夕方、イサベルは黒猫と遊んでいる。アナは父母のアルバムを見る。父あての母のポートレートには、“私が愛する、人間ぎらいさんへ”とある。網の中のミツバチにささやきかけるアナ。夜ふけに一人起き上ったアナは外に出る。列車から兵士が飛び降り井戸のある家に入って行く。彼はアナに拳銃を向けるが、子供だと知るとやさしくなる。足をけがした兵士は動けない様子だ。大きなリンゴを差し出すアナ。二人はアナが持って来た父のオルゴール時計で遊ぶ。その夜、井戸のある一軒家に銃声が響いた。翌朝、フェルナンドが警察に呼ばれる。オルゴール時計のせいだ。公民館に横たえられた兵士の死骸。食事の席でオルゴール時計をならすフェルナンド。アナにはすべてが分かった。井戸のある家に行き血の跡を見つめるアナ。その日、夜になってもアナは帰らなかった。心配する家族。そのころ、森の中のアナの前に、映画で見た怪物そっくりの精霊が姿をあらわした。発見されたアナは昏睡状態に陥っていた。家族のみんなが見守る。深夜、一人起き上がるアナ。窓をあけ、夜空を見つめるのだった。

1972年9月5日、ミュンヘン・オリンピック開催中、パレスチナ・ゲリラ “黒い九月”により11人のイスラエル選手が殺害される事件が起こった。激怒したイスラエル機密情報機関モサドは、暗殺チームを編成して報復を企てる。リーダーに任命されたのは、愛国心あふれるアヴナー(エリック・バナ)。妊娠中の妻にも事情を話せないまま、彼は命令に従うことを決める。上官エフライム(ジェフリー・ラッシュ)の指示のもと、アヴナーはヨーロッパに渡る。そして車輌専門のスティーヴ(ダニエル・クレイグ)、後処理専門のカール(キアラン・ハインズ)、爆弾専門のロバート(マチュー・カソヴィッツ)、文書偽造専門のハンス(ハンス・ジシュラー)という4人のスペシャリストと共に、アラブのテロリスト指導部11人を一人一人暗殺していく。2人の暗殺が終了した時点で、アヴナーは妻の出産に立ち会うため仲間に内緒で一時帰国。家族の危険を考え、妻にニューヨークへの移住を切り出す。やがてメンバー5人は、任務そのものへの疑問や不安を感じ始めるようになった。ある晩、ついにカールが女殺し屋に殺害される事件が起こる。まもなくハンスも殺害され、いつの間にか狙う立場から狙われる立場になったアヴナーは恐怖に怯え始める。皮肉にもチームを離れたロバートは、自ら作った爆弾の誤爆により命を失う。やがて標的を7人殺害した時点で、アヴナーは任務を解かれて妻子の待つニューヨークへ戻る。だが暗殺の記憶の苦しみや、誰かに追われる恐怖を抱えながら生きていくのだった。



出典:goo映画
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耳に残るは君の歌声 2000年(イギリス・フランス) ★★★  見知らぬ乗客 1951年(アメリカ)★★★★
主演:クリスティーナ・リッチ ジョニー・デップ
監督:アルフレッド・ヒッチコック出演:ファーリー・グレンジャー ルース・ローマン
あらすじ あらすじ
1927年、ロシア。ユダヤ人の少女フィゲレ(クローディア・ランダー・デューク)は、村を襲った暴動から逃れ、父親(オレグ・ヤンコフスキー)とも別れて、ロンドンへ。スージーと名付けられた彼女(クレスティーナ・リッチ)は、10年後、コーラス・ガールとしてパリで働くことに。美しく野心家のロシア人ダンサー、ローラ(ケイト・ブランシェット)と知り合い、アリアの名手であるイタリア人オペラ歌手ダンテ(ジョン・タトゥーロ)の美声に惹かれるもののその人間性に失望した彼女は、やがてジプシーの青年チェーザー(ジョニー・デップ)と恋におちる。だがナチスによる第二次大戦の影が、パリにも迫ってきた。スージーはチェーザーと別れの夜を過ごし、ローラと共にニューヨーク行きの船に乗る。ところが船は、ドイツ軍の攻撃により撃沈。スージーは助かったが、ローラは死亡。ニューヨークでまたひとりぼっちとなったスージーは、父を探してハリウッドまで行く。そしてついに、瀕死の老人となっていた父と再会を果たすのであった。
アマチュア・テニス選手として名の通っているガイ・ヘインズ(ファーリー・グレンジャー)は、ワシントンから故郷メトカルフへ離婚のため帰る途中、列車の中で不思議な青年ブルノ・アントニー(ロバート・ウォーカー)と知り合った。彼は、ガイが最近妻ミリアムと不和になり、モートン上院議員の娘アン(ルース・ローマン)と結婚したがっていることを知っていて、自分の父を殺してくれるならミリアムを殺してやろうと申し出たのである。むろんガイはこの交換殺人を一笑に付したが、アントニーは遊園地の草原で本当にミリアムを殺してしまった。ガイはアリバイが不充分なまま刑事の尾行を受けることになったが、そのスキを狙ってブルノははしつこく返礼殺人をガイに迫るのだった。ガイも、この事実を知ったアンも、心からブルノに翻意を促したが、彼はいよいよ狂的になって行き、ついにフォレスト・ヒルの試合当日、ブルノは車中でガイからかすめたライターを現場に置いてくる計画をたてていることが判った。ガイは必死に試合をすすめ、敵に辛勝して尾行刑事をまき、ブルノを遊園地に追った。2人はメリーゴーランド上で対決、あわてた刑事の一弾が係の男を倒したので、突然急転をはじめたメリーゴーランドの上の格闘は凄絶をきわめるものとなった。つにい回転木馬は心棒から折れてみじんに崩け、ガイは外へ放り出されたが、ブルノは敢えなく下敷きとなって息絶えた。その手の中に握られていたライターによって、ガイの容疑が晴れたのはいうまでもない。



みじかくも美しく燃え 1967(スウェーデン ) ★★★     ミシシッピ・バーニング  1988年(アメリカ) ★★★★ 
主演:ピア・デゲルマルク トミー・ベルグレン クレオ・ジェンセン  主演:ジーン・ハックマン ウィレム・デフォー フランシス・マクドーマンド   
あらすじ あらすじ
夏も終りに近い頃、スウェーデンの片田舎の森の中に、一組の男女の姿があった。男の名はシクステン・スパーレ(T・ベルグレン)という陸軍中尉で、伯爵の称号をもつ貴族だった。女の名はエルビラ・マディガン(P・デゲルマルク)といい、サーカスの綱わたりのスターである。シクステンには妻子があり、エルビラはスターといっても、しがない女芸人にすぎない。だが二人は愛しあった。この愛を守る道はただひとつしかない。シクステンは脱走しエルビラは家出してきた。森の近くの、こじんまりした宿屋に落ちついた二人は、しばし幸福の時をすごしたが、それも束の間、シクステンの身分が同宿人に、ばれてしまった。二人はそこを逃れ、とある湖のほとりの村へやってきた。しばらくの間は、魚釣りや舟遊びまでできた平和な日が続いたが、ある日のこと、シクステンの友人が現われ、残された妻や子供の悲しみを語り、エルビラの行為を責めるのだった。だがエルビラにしてみれば、シクステンは最高にして最後の人……と答えるしかない。二人はまた、逃走の旅を続けた。いよいよお金に困ったが、脱走兵のシクステンには仕事を探すすべもない。深く愛し合ってはいたが、二人にとっては、実にみじめな毎日がつづいた。いよいよ追いつめられた二人が愛を貫く道はただひとつしかない……。二人が森へ消えた直後、二発の銃声が轟いた。一八八九年ある晴れた日のことである。 全米にフリーダム・サマー(自由の夏)が吹き荒れる64年6月、ミシシッピー州ジュサップの町で起きた3人の公民権運動家の失踪事件を重要視するFBIは、2人の腕きき捜査官を現地に派遣した。元郡保安官でたたきあげのルパート・アンダーソン(ジーン・ハックマン)とハーバード大出のエリート、アラン・ウォード(ウィレム・デフォー)、この全てに対照的で時には対立さえする2人に対し、町の人々は非協力なだけでなく敵意さえも明らさまにする。そして少しでも彼らに協力的な態度を見せた人々は、何者かに家を焼かれたり、リンチにあい、再び口を重く閉ざすのだった。遅々として捜査は進まず、大掛かりな遺体の捜査も行われたが、手掛かりひとつ見つけることができない。焦立つウォードに対しアンダーソンは、保安官スタッキー(ゲイラード・サーテイン)とその助手ペル(ブラッド・ダリフ)の仲間たちが事件に関わっているという確信を抱き、ペルの妻(フランセス・マクドーマンド)を訪ねる。アンダーソンは、夫とこの町に嫌悪している彼女から事件の糸口を探ることができるのでは、と感じていたが、その間にもフリーダム・サマーの行進に参加した黒人青年が瀕死の重傷を負うリンチをうけ、またある黒人の家が焼き打ちにあった。だがこの現場を目撃した1人の少年の証言から、3人の容疑者が裁判にかけられるが、結果は不平等を極め判決は無罪同然、その直後、町のあちこちで焼き打ち行為が起き、目撃証言をした少年の家も焼かれ、彼の父親はリンチにあい木に吊るされる。この事件をきっかけに、アンダーソンはペルの妻から彼が失踪事件に関わっていること、そして彼ら3人の遺体が埋められた場所などを聞き出すが、彼女はそのことを知ったペルにめった打ちにされ重傷を負う。怒りに逆上するアンダーソンをなだめるウォードは、やがて彼の提案するプロの脅し屋を雇い、陰で糸を引く町長を痛めつけて口を割らせる、という思いきった手段に同意する。そして次々と町長の口から明かされる事件に関与した人物たちの名前とその動機。ついに事件の核心は姿を見せた。しかしそれで全てが終わったわけではない。



 みんな私に恋をする 2010年(アメリカ) ★★★     ミスティック・リバー 2003年(アメリカ)★★★ 
主演:クリステン・ベル ジョシュ・デュアメル ウィル・アーネット  監督:クリント・イーストウッド 主演:ショーン・ペン ティム・ロビンス   
あらすじ あらすじ
ニューヨークとローマを舞台に、恋愛で失敗続きのヒロインが、ひょんなことから5人の男たちにモテはじめ、真の愛を模索していく姿を描いたロマンティック・コメディ。ニューヨークの美術館でキュレーターとして活躍するベスは、恋愛面で失敗ばかり。そんな彼女はある日、妹の結婚式でローマを訪れる。そして、酔った勢いで、そこへコインを放り込むと恋愛が叶うという噴水“愛の泉”から、5枚のコインを拾い上げてしまう。すると、コインを投げ入れた男たちから言い寄られ始める。また、その5人の中には結婚式で出逢ったニックもいた。こうして、彼らの猛アタックに翻弄されていくベスだが…。 一度は犯罪社会に身を置きながら今は雑貨店を経営しているジミー(ショーン・ペン)、平凡な家庭人であるデイヴ(ティム・ロビンス)、刑事のショーン(ケヴィン・ベーコン)の3人は、ボストンのイーストバッキンガム地区で少年時代を共に過ごした幼なじみ。しかし彼らが11歳の時、ある男にデイヴだけが誘拐されて性的な凌辱を受け、その日を境に3人は離れ離れになった。それから25年後の現在、ジミーの娘が何者かに殺される殺人事件が勃発。捜査にあたることになったのはショーンと、相棒のホワイティー(ローレンス・フィッシュバーン)であり、容疑者として浮かび上がってきたのは、なんとデイヴだった。今も少年時代のトラウマに悩まされているデイヴ。そして、事件当夜に血まみれで帰宅した彼に、妻のセレステ(マーシャ・ゲイ・ハーデン)は不安を隠しきれず、ジミーに夫が犯人だと思うと心中を告白した。ジミーは自らの手で娘の復讐を果たすべく、デイヴを呼び出す。少年に悪戯をしていた男を殴り殺して血まみれになったと主張するデイヴに圧力をかけたジミーは、娘を殺したと言わせてしまう。ジミーはデイヴを殺害し、川に沈める。しかし一方、ショーンは真犯人を逮捕していた。それは殺された娘のボーイフレンドの弟と、その友人だった。まもなく、デイヴが殴り殺した男の死体も発見される。事の真相をショーンから聞いたジミーは、激しい悔恨の念に打ち震えるのだった。



  ミッションインポッシブル 1996年(アメリカ) ★★★     ミッドウェー 1976年(アメリカ)★★★ 
主演: トム・クルーズ ジョン・ヴォイ ヘンリー・ツァーニー 主演: チャールトン・ヘストン ヘンリー・フォンダ 三船敏郎  
あらすじ あらすじ
極秘スパイ組織IMFのリーダー、ジム・フェルプス(ジョン・ヴォイト)の元に当局から指令が入った。任務は、東欧に潜入しているCIA情報員のリスト“NOC”を盗んだプラハの米大使館員ゴリツィンと情報の買い手を捕らえること。だが盗まれたのは暗号名の情報だけで、本名のリストは別にある。ゴリツィンはそれを入手するため、明日の大使館のパーティに現れるらしい。ジムの作戦に従い、イーサン・ハント(トム・クルーズ)をはじめとするIMFのメンバーは大使館に向かった。しかし、作戦は敵に筒抜けで、ハッカーのジャック(エミリオ・エステヴェス)、工作員のサラ(クリスティン・スコット・トーマス)、監視役のハンナ(インゲボーガ・ダプクテイナ)にゴリツィンまでが殺され、ジムも銃弾に倒れてしまう。辛くも逃れたイーサンはCIAのキトリッジ(ヘンリー・ツァーニー)に会い、彼からIMFに内通者がいると聞かされる。今回の作戦はそれを暴くために仕組まれたもので、ゴリツィンは囮だったのだ。生き残ったイーサンは彼に内通者と見なされ、愕然とする。彼はキトリッジとの会合の場であるカフェを爆破して逃走し、本当の裏切り者を探そうとする。大使館の作戦で生き残ったジムの妻、クレア(エマニュエル・ベアール)も無事アジトに戻り、イーサンは今までの状況を説明。キトリッジは、内通者にNOCリストを盗ませたのは武器商人のマックスだと言っていた。内通者の暗号名が“ヨブ”だと知ったイーサンは、その名を騙ってマックス(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)に会い、ヨブのリストはCIAが用意したニセ物だと伝える。さらに彼はマックスに取り引きを持ちかけ、全世界のNOCリストをヨブと交換することが決まった。イーサンとクレアは、CIAを解雇されたタフガイのクリーガー(ジャン・レノ)と天才ハッカーのルーサー(ヴィング・レイムス)を仲間に加えて、次の作戦を開始。何と世界一厳重に警備されたCIA本部の1室に侵入し、NOCリストを入手しようというのだ。クレアの陽動作戦が成功し、天井にあるダクト口から、クリーガーが支えるケーブルに吊るされながら入室したイーサンは、見事、NOCリストのダウンロードに成功した。これを知ったキトリッジは、イーサンの母と叔父を麻薬密売容疑で逮捕し、彼をおびき出そうとする。イーサンはキトリッジに電話をかけてわざと逆探知させ、自分がロンドンにいることを知らせる。ところが、そこへ死んだはずのジムが現れた。驚くイーサンに、彼は黒幕はキトリッジであると教える。すでにイーサンはマックスとの取り引き場所を、ロンドン発パリ行きの特急列車TGVユーロスターの車内と設定していた。そこには裏切り者のヨブも現れるはずだ。列車は走り出し、イーサンはマックスにリストを渡す。車内にはなぜかクレアも乗り合わせており、彼女は貨物車両に潜伏していたジムと会う。だが、それは得意の変装で彼に化けたイーサンだった。そこへ本物のジムが現れた。ヨブの正体はジムであり、プラハで仲間たちを殺したのも、全ては彼とクレア、そしてクリーガーの仕業だった。ジムは冷戦後の世界情勢を鑑み、自分のようなスパイが用済みになることを察して、今回の行動に出たのだ。イーサンは間一髪で危機を脱出するが、その際クレアがジムの銃弾に倒れる。ジムは車外に逃れ、追尾していたクリーガーの操縦するヘリコプターに乗り込んだ。イーサンは屋根にへばりついたまま、ヘリコプターをワイヤーで列車に繋ぎ止め、もつれ合ったままトンネル内に突入。機銃掃射するジムたちの眼前で、イーサンはガム型爆弾を使い、ヘリコプターは吹っ飛ぶ。イーサンの連絡で車内で待機していたキトリッジは、マックスを逮捕した。イーサンの母と叔父は釈放され、ルーサーは晴れてCIAに復帰することに。しかし、イーサンはスパイ稼業に嫌気が指し、空の旅の人となった。そこへジムの後任と認めた当局より新たな指令が届いた……。 1942年4月18日。大日本帝国海軍連合艦隊司令長官山本五十六大将(三船敏郎)は、渡辺安次中佐(クライド・草津)から、帝都東京が米軍の空襲をうけたという報告を受けた。その頃、太平洋を隔てたホノルルのアメリカ合衆国太平洋艦隊真珠湾基地では、マット・ガース大佐(チャールトン・ヘストン)が、太平洋艦隊司令長官チェスター・W・ニミッツ大将(ヘンリー・フォンダ)の司令で、海軍情報局のジョセフ・J・ロシュフォール(ハル・ホルブルック)を訪ねていた。日本海軍が近々、新たなる作戦を開始する気配を察知したニミッツ長官は、日本軍の動静に関する情報を必要としていたのだ。情報局を出たガース大佐は、そこにホノルルにはいない筈の息子トム・ガース少尉(エドワード・アルバート)の姿を見つけて驚いた。トムは恋人である日系人の娘、佐倉春子との結婚の許しを父に求め、同時に最近逮捕された春子の両親が釈放されるよう、父に尽力を頼む。帝国海軍連合艦隊の戦時待機錨地、広島湾柱島。戦艦大和の艦上で山本長官を囲み、作戦会議が進行していた。出席者は、第2艦隊司令長官近藤信竹中将、第1機動部隊司令長官南雲忠一中将(ジェームズ・繁田)などだった。艦船数でアメリカ海軍を圧倒する日本海軍が、この機に乗じてアメリカの主力、太平洋艦隊をミッドウェイ沖にさそい出し、艦隊による決戦にもち込んで叩けば日本は太平洋を制圧しうる、これが山本長官の決断だった。それに対し、日本軍の基地航空部隊の援護が無い事などを主な理由に近藤中将ははっきり反対の意見を具申した。一方、ホノルルでは、ガース大佐とロシュフォール中佐に迎えられたニミッツ長官が副官のアーネスト・ブレイク少佐(ロバート・ワグナー)を伴い水上飛行艇で真珠湾基地に到着した。そして日本軍の通信暗号『目標AF』がミッドウェイをさすことをつきとめた。しかし、ワシントンの海軍本部から派遣されて来たビントン・マドックス大佐(ジェームズ・コバーン)は、ミッドウェイ作戦が米軍をまどわすための陽動作戦であることを主張する。山本長官がミッドウェイ作戦を決断、大本営軍司令部が昭和17年5月5日に作戦実行を命令した頃にミニッツ長官も基地の防備と増強に着手、日本艦隊の迎撃作戦を命令する。太平洋上の豆粒ほどの島ミッドウェイ目指し日米両艦隊は秘やかに、しかし着々と動き始めた。日米の艦隊比率は日本4に対しアメリカは僅か1だった。5月29日、まずエンタープライズとホーネットを擁する第16機動部隊が真珠湾を出撃、司令官はレイモンド・A・スプルアンス海軍少将(グレン・フォード)。本来はウィリアム・F・ハルゼー中将(ロバート・ミッチャム)が司令官だったが、出撃を前に病に倒れたため、交代したのだ。6月5日、ミッドウェイ決戦の火ぶたは、友永丈市大尉を総司令官とする第1次攻撃隊と、これを迎え撃つミッドウェイ基地戦闘機隊40機の間で切られた。しかし、レーダーを搭載している米艦隊は日本軍の動きの全てを先刻承知していた。午前7時24分、ようやく第2次攻撃隊の発艦準備が整った連合艦隊空母群、赤城、加賀、蒼龍から1番機が飛び立った。あと5分あれば満載されている戦闘機の全部が飛び終わっていたと思われるとき、雲の切れ目を利用して急降下爆撃機が赤城、蒼龍、加賀、飛龍めがけて突っ込んできた。空母は転回する余裕すらなかった。日本軍は4隻のうち3隻まで失った。残る1隻飛龍はヨークタウンを撃沈したものの、ガース大佐の指揮する急降下爆撃隊によって撃沈された。大海戦の勝敗は決した。勝利に湧く真珠湾に、激戦を終えた太平洋艦隊が凱旋した。



  ミッション8ミニッツ 2011年(アメリカ) ★★★     ミッドナイトインパリ 2011年(アメリカ・スペイン) ★★★ 
主演: ジェイク・ギレンホール    ミシェル・モナハン    ヴェラ・ファーミガ  主演:オーウェン・ウィルソン  レイチェル・マクアダムス  マイケル・シーン 
あらすじ あらすじ
ある朝。コルター・スティーヴンス(ジェイク・ギレンホール)は列車の座席で目覚める。目の前の女性(ミシェル・モナハン)が、親しげに話しかけてくる。だが、コルターには自分がなぜここにいて、彼女が誰なのかわからなかった。陸軍大尉のコルターは、アフガニスタンで戦闘ヘリを操縦していたはずなのだ。鏡を覗きこんだ彼の眼に映ったのは、見知らぬ別人の顔。所持していた身分証明書には、“ショーン・フェントレス:教師”と記されていた。そのとき突然、車内で大爆発が発生。なす術もなく炎に飲み込まれていった……。コルターが意識を取り戻したのは薄暗い密室。モニターに軍服姿の女性、グッドウィン大尉(ヴェラ・ファーミガ)が映し出される。列車の爆発事故について質問されるが、状況が飲み込めず、回答できない。“包囲された城”と呼ばれるこの空間は、何かの研究室らしかった。朝7時48分に列車爆破事件が発生したことは事実で、コルターの任務は、乗客であるショーンとなって車内を捜査し、爆弾魔を特定することだという。なぜか再び列車に戻されたコルターは、次第に状況を理解してゆく。目の前の女性の名はクリスティーナ。コルターが繰り返し列車に戻るのは、“ソースコード”というラトレッジ博士(ジェフリー・ライト)が開発中の極秘実験によるもの。これによってコルターの意識はショーンの身体とリンクし、死亡するまでの8分間を繰り返し体験できるのだ。5回目のスリップで彼は、アフガニスタンに向かったコルターについて調べてくれるよう、クリスティーナに依頼する。そして明かされる衝撃的な真実。“ソースコード”には、まだ知らない秘密が隠されていた。さまざまな疑問が浮かぶ一方で、コルターはクリスティーナに特別な思いを寄せるようになる。彼女を救うためにも、爆弾犯を探し出そうと8分間のミッションを繰り返すが、その先に待ち受けていたのは想像を絶する運命だった……。 2010年、ハリウッドの映画脚本家でありながらも、小説家を目指し処女小説の執筆に悪戦苦闘中のギル・ペンダー (オーウェン・ウィルソン) は婚約者のイネス (レイチェル・マクアダムス) とその裕福な両親とともにパリを訪れる。ギルはパリに住みたいとさえ考えているが、イネスはマリブに住むと言って聞いてくれない。2人はイネスの友人ポール (マイケル・シーン) と遭遇し、ともに街を回る。イネスはポールを気に入っているものの、彼が偉そうに語る歴史や芸術の薀蓄には間違いが多く、インテリぶったポールがギルにはどうにも鼻持ちならない。 ある夜の12時、ギルは酒に酔ったままパリの街をうろついていると、アンティークカーが止まり、車中の1920年代風ルネサンス期の格好をした男女がギルを誘う。そして向かったパーティには、コール・ポーター、F・スコット・フィッツジェラルドと妻ゼルダがいた。そのパーティはジャン・コクトーのパーティだった。そこでギルは、彼が黄金時代と評し、愛して止まない1920年代のパリに来ていたことに気づく。その後、フィッツジェラルド夫妻、ポーター夫妻と行ったクラブでは、ジョセフィン・ベイカーもいた。その後に、フィッツジェラルド夫妻と飲みに入ったバーでは、アーネスト・ヘミングウェイと出会う。ヘミングウェイに自分の小説を読んでくれないかともちかけたギルだったが、ヘミングウェイに「自分は読みたくないが、代わりにガートルード・スタインを紹介しよう」と言われ、舞い上がる。 次の夜、イネスを一緒に誘うが、真夜中になる前にイネスは「疲れた」と帰ってしまう。彼女が帰るやいなや、夜中の12時の鐘が鳴り、古いプジョーが現れた。今度はヘミングウェイが乗っていた。彼と一緒にスタインの家へ行くと、今度はそこにパブロ・ピカソとその愛人、アドリアナ(マリオン・コティヤール)がいた。スタインはピカソと彼の描いたアドリアナの肖像画について論議をかわしていた。そこで初めてアドリアナに会ったギルは、一目惚れしてしまう。 現代と1920年代を行き来しながら、婚約者イネスとの関係とアドリアナに魅かれる自分に悩むギル。しかし、シュルレアリストである、サルバドール・ダリ(エイドリアン・ブロディ)、ルイス・ブニュエルとマン・レイからは、「それはごく自然なことだ」と言われてしまい、ますます頭を抱える。 そして、ギルとアドリアナが初めてキスを交わした晩、2人の前に19世紀のベル・エポック時代を思わせる馬車が停まる。そのまま、更に1890年代ベルエポック期へとタイムスリップしてしまい、昔のパリ(ベルエポック期)が良かったと思っているアドリアナはこの時代に残ると言い出す。現在を生きている人は常に昔の栄光期に憧れると言い、なんとかアドリアナを説得を試みるも、ギルは元の世界に帰ると言い、二人はここで別れる。 その後、自分の小説の指摘をスタインに受け、その中でおかしなことは婚約者の浮気を見抜けないことはおかしいと言われる。それはいわゆる自分の婚約者のことだと思い、ホテルに戻りポールとイネスとの浮気を問い詰める。イネスはあっさり浮気を認め、パリに残ることを決意したギルは、恋人のイネスとも別れることを決意。 ホテルから追い出され、路上を歩いていると蚤の市で出会ったガブリエルと再会し、そのまま街に消えていくところで物語はフィナーレを迎えるのであった。



  ミッションインポッシブル 1996年(アメリカ) ★★★     ミッドウェー ★★★ 
主演: トム・クルーズ ジョン・ヴォイ ヘンリー・ツァーニー 主演: 
あらすじ あらすじ
不可能な任務に挑むスペシャリストの活躍を描いたスパイ・アクション大作。TVドラマ『スパイ大作戦』(66〜73)を基に、主演のトム・クルーズが初の製作も兼ね、映画化権の交渉から3年に及ぶ準備期間を経て、自身のプロダクション〈クルーズ‐ワグナー・プロ〉の第1回作品として完成させた。監督は「カリートの道」のブライアン・デ・パルマ。「今そこにある危機」のスティーヴン・ザイリアンと「カリートの道」のデイヴィッド・コープの原案を、コープとクルーズ主演の「ザ・ファーム 法律事務所」のロバート・タウンが共同で脚色。製作はクルーズとパートナーのポーラ・ワグナー、エクゼクティヴ・プロデューサーは「トゥルーナイト」のポール・ヒットコック。撮影は「カリートの道」など、監督とは6作目となるスティーブン・H・ブラム、美術は「生きてこそ」のノーマン・レイノルズ、編集は「レイジング・ケイン」など、監督とは10本目となる「アイ・ラブ・トラブル」のポール・ハーシュ、衣裳は「心の地図」のペニー・ローズ、特殊メイクは「セブン」のロブ・ボッティンが担当。音楽は「バットマン リターンズ」のダニー・エルフマンがスコアを書き、ロックグループ〈U2〉のアダム・クレイトンとラリー・ミューレンがアレンジ・演奏したTV版のテーマ曲(ラロ・シフリン作曲)を使用している。主演は「インタヴュー・ウィズ・ヴァンパイア」のトム・クルーズ。共演は「ヒート」のジョン・ヴォイト、「とまどい」のエマニュエル・ベアール、「フレンチ・キス」のジャン・レノ、「湖畔のひと月」のヴァネッサ・レッドグレーヴほか。また、エミリオ・エステヴェスがノー・クレジットで友情出演している。



澪つくし(NHKドラマ) 1985年(昭和60年) ★★★★★    宮本武蔵  1961年(昭和36年)★★★★ 
主演:沢口靖子 川野太郎 津川雅彦  桜田淳子 内田吐夢監督 主演:中村錦之助 入江若葉  木村功
あらすじ あらすじ

大正15年(1926年)、銚子の浜で画家の絵のモデルをしていた銚子高女の女学生・かをる(沢口靖子)は、たまたま通りがかった青年漁師・惣吉(川野太郎)に指に刺さったとげを抜いてもらい、乙女心に淡いときめきを覚える。やがてこのことがきっかけとなり、かをると惣吉は相思相愛の間柄になるが、二人の前には双方の家の壁が立ちはだかる。当時、醤油屋と漁師とは犬猿の仲であり、たとえ妾の子とはいえ、銚子でも屈指の醤油醸造元「入兆」の当主・坂東久兵衛(津川雅彦)を父に持つかをると、何人もの漁師を抱える外川の網元・吉武一家の総領である惣吉とが一緒になることなど、到底考えられなかったからである。「坂東家の娘として嫁に出してやりたい」という久兵衛の愛情から、卒業と同時に正式に認知されたかをるは「入兆」に引き取られ、時を同じくして和歌山から銚子へ移ってきた本妻や異母姉弟達と、同じ屋根の下で暮らすことになる。だが、嫁入りのための行儀見習いという名目でかをるを女中同然に扱い、何かにつけて辛くあたる女中頭のハマ(根岸季衣)や、気まぐれで何を考えているかわからない異母姉・律子(桜田淳子)に振り回され、時として涙する日々が続く。半年後、辛い行儀見習の日々を経て、ようやく名実共に「入兆」の娘として扱われるようになったかをるの元に縁談が持ち込まれる。しかし、諦めつつも絶ち切れない惣吉への想いを察した律子の策略で破談となり、これによってかをるは、久兵衛に惣吉への想いを打ち明ける羽目になる。烈火のごとく激怒し聞く耳を持たない久兵衛や、事情を知らない周りの者達からの中傷に耐え切れなくなったかをるは、とうとう「入兆」を飛び出し、実母・るい(加賀まりこ)の元へ身を寄せる。その後、紆余曲折を経て「入兆」へ戻ったかをるだったが、今度は、かをるの正直な気持ちを知った惣吉が「入兆」へ訪れ、久兵衛にかをるとの結婚の承諾を申し込む。しかし、久兵衛は頑として会おうとせず、意を決した惣吉は来る日も来る日も、ずっと坂東家の門の前に立ち続ける。そんなある日、かをるは律子が起こした思想犯への密通事件に巻き込まれ、投獄されて警察の厳しい取調べを受け新聞沙汰になってしまう。律子のことは口をつぐんだまま釈放されて戻ってきたかをるは、既に真相を知って頭を下げる久兵衛に「本当のことを告げたい人が一人だけいる」と涙ながらに懇願する。それでも首を縦に振らない久兵衛だったが、惣吉の母・とね(草笛光子)に説得されたるいの助言もあって考え方を変え、かをるに勘当を言い渡す。惣吉の人柄やお互いの一途な思いを知り、「『入兆』の娘」という立場から開放してやることで、事実上、惣吉との結婚を認めるという、久兵衛の苦渋の決断だった。こうして、様々な困難を乗り越えて無事祝言を挙げ、正式に網元の親方を継いだ惣吉と新妻・かをるは、待望の新婚生活をスタートさせる。だが、かをるの波乱万丈な人生はこれからであった。幸せな日々も束の間、可愛がってくれた伯父である村長と漁師達との間に勃発した騒擾事件、最愛の夫・惣吉の絶望的な状況下での遭難と行方不明、心労による流産、さらには惣吉とのことを完全にふっ切れないままでの梅木との再婚と、わずか数年の内に、かをるの人生は激しく流転していく…。流産がきっかけで、心ならずも「入兆」へ連れ戻されたかをるだったが、家業の手伝いに精を出すうちに少しずつ元気をとり戻し、やがて再婚した梅木との間にも双子の男の子を授かる。ようやく訪れた心穏やかな日々…だがそれも束の間、ある日東京に住む律子から、死んだはずの惣吉と街で遭遇し、記憶喪失の状態で警察に保護されているという話を聞き愕然とする。駆けつけたかをる達の尽力でなんとか記憶を取り戻したものの、今度はかをるが他人の妻となっている現実が受け入れられない惣吉。そして、かつての相思相愛ぶりを知っているだけに、平静を装いながらも心中穏やかならぬ梅木。その感情のくすぶりは、愛するがゆえにかをるの「今の幸せ」を疑う惣吉と、かをるの「惣吉への未練」を疑って荒んでいく梅木との間に確執を生み、再び坂東家と吉武家の対立にまで発展、かをるを激しく苦悩させることになる。そんな中、時代は太平洋戦争へと歯止めなく突き進んでいき、醤油の原材料の統制、従業員や夫の徴兵、そして空襲による悲しい別れと、戦時下での悲劇は「入兆」や坂東家ともまた無縁ではなかった。やがて終戦を迎え、かをるは…。

慶長五年九月、関ヶ原の合戦で西軍豊臣方は惨敗に終った。作州宮本生れの郷士の伜、新免武蔵と本位田又八は野望を抱いて西軍に加わったが傷ついて、もぐさ家のお甲とその養女朱実に救われた。この母娘は戦場荒しを稼業とする盗賊だった。ある日、お甲の家を野武士辻風典馬の一隊が襲った。武蔵は典馬を殴殺し、又八は手下を追いちらした。そんな二人にお甲の誘惑の手がのびた。又八は許嫁お通を忘れお甲とともに姿を消した。宮本村に向った武蔵に、豊臣方残党詮議が厳しく、武蔵は人殺しを重ねつつ、故郷に向かった。武蔵召捕りのため姫路役人青木丹左衛門が村の七宝寺を本陣として采配を振っていた。その頃、お通のもとに又八からの縁切状が届いた。又八の母お杉婆と権六叔父は、又八の出奔を武蔵のせいにして武蔵を恨んでいた。七宝寺には沢庵坊主が居候していた。農繁期の盛りに百姓達は武蔵召捕りのためにかりだされた。みかねた沢庵はお通と二人で武蔵を生け捕りにしてきた。同じ捕るなら仏の慈悲という沢庵の言葉に武蔵は剣をすてた。だが、沢庵は境内の千年杉に武蔵を吊るしあげた。そして人間としての道を諄諄と武蔵に説いた。沢庵の大きな心を知らないお通は武蔵を哀れに思い、一夜、武蔵を助け共に宮本村をのがれた。武蔵は、囮として捕えられている姉を救出せんと日倉の牢に向ったが、姉は沢庵に救われていた。沢庵は武蔵を、姫路の白鷺城に連れていった。そして天守閣の開かずの間に武蔵を残し沢庵は去っていった。強いだけの武蔵に学問を習わせようというのだ。ここを暗黒蔵として住むのも、光明蔵として暮らすのも武蔵の心にある、という沢庵の言葉に、武蔵は学問にうちこんだ。この一室を母の胎内と思い生れ出る支度にかかろうと決心したのである。一方、お通は花田橋の竹細工屋喜助の店で武蔵が出てくるのを待つことになった。宮本村では、権六叔父を供に連れたお杉姿がお通成敗の悲願をかけて旅立った。




















宮本武蔵 般若坂の決斗  1962年(昭和37年) ★★★  宮本武蔵 二刀流開眼  1963年(昭和38年) ★★★ 
内田吐夢監督 主演:中村錦之助 入江若葉  木村功  内田吐夢監督 主演:中村錦之助 入江若葉  木村功
あらすじ あらすじ

白鷺城の暗黒蔵にこもること三年、武蔵は名を宮本武蔵と改め、沢庵に別れを告げて剣の旅に出た。同行を願うお通が約束の花田橋に駈けつけたとき、武蔵の姿はすでになかった。三年後、京は祗園の色里で吉岡清十郎がお甲の娘朱実にうつつを抜かしていた。武蔵の幼馴染の本位田又八は、お甲の名ばかりの亭主だ。清十郎が伊勢に旅立った日、吉岡道場に現れた武蔵は門人数名を敗った。清水坂で武蔵に果し合をいどんだのは本位田家のお杉婆と権叔父だが、武蔵は相手にせず逃げ去った。木賃宿で逢った城太郎少年が青木丹左衛門の一子と知り、武蔵は弟子にすると約した。醍醐道で追いついた城太郎は、武蔵に又八からの書状を渡した。吉岡道場千人の門下が意趣をふくみ、武蔵を捜しているという。武蔵は明春一月、道場を訪ねると清十郎に返事を書いた。その手紙を城太郎が大和街道で落したとき、市女笠の旅の女−−お通が教えてくれた。一方、奈良奥蔵院裏の畑で、武蔵は鍬を手にした老僧日観師のただならぬ気魄に舌を巻いた。訪ねる宝蔵院の胤舜は不在。どの修業者も高弟阿巌の敵ではなかった。が、武蔵の鋭い木刀に阿巌は血を吐いて息絶えた。その武蔵に「強さをためねばならぬ」と戒しめたのは日観で、武蔵は「敗れた!」と呟いた。その頃、奈良には素性の知れぬ牢人衆が多く流れ込み、町を荒らし回っていた。そして、武蔵に恨みを抱く牢人たちは宝蔵院の荒法師たちを煽動して、武蔵を囲んだ。武蔵は奮然と斬りまくった。加勢するはずの法師たちは、逃げる牢人衆を片端から突き伏せた。奈良の町を大掃除しようと、日観師が胤舜に策を授けたのであった。南無妙法蓮華経の題目を記した供養の小石を武蔵は空に投げた。「殺しておいて何の供養ぞ!」

般若野で不逞の浪人の群を倒した武蔵は城太郎をつれて柳生石舟斎宗厳の城に向い、この剣聖と剣を交えようとしたが果せない。吉岡清十郎の弟伝七郎もまた石舟斎に会おうとするが、お通を通して拒絶されてしまう。一方、武蔵は柳生四高弟と剣談を交えるところまでこぎつけたが、城太郎が紀州公より賜った柳生家の愛犬を打ち殺したことから、高弟たちと対立した。そのとき、お通の笛の音が流れ、ハッとした武蔵の袖口が相手の真剣に大きく裂けた。瞬間、武蔵は小刀を抜き放って両刀の構えとなっていた。翌日、右舟斎の庵の前に立った武蔵は庵内にお通の姿を認め、お通も武蔵に気付いた。が、次の瞬間、武蔵は逃れるように姿を消した。そのころ、吉岡の門弟祇園藤次は旅先で燕返しの秘剣を身につけた佐々木小次郎を知り、更にふとしたことから清十郎も彼の太刀さばきを見て、小次郎は吉岡道場の客となった。さて、伏見城の改修工事に従事していた本位田又八は、小次郎あての免許皆伝の状を偶然手に入れ、小次郎の名を騙って京に出たが、そこで、清十郎に体を奪われた上、母お甲は藤次と逐電、とう悲運に見舞われた朱実に逢い、それがもとで小次郎に化けの皮をはがされる。一方、清十郎ばついに宿敵武蔵との対決を決意した。「洛北の蓮台寺野で、九日の卯の下刻」五条大橋でこの高札を朱実も、お通も見ていた。そして武蔵も−−。が、武蔵の眼は遠く枯柳に寄りかかっている小次郎にそそがれていた。二人は宿命的ななにかを感じたようであった。小次郎に止められたが、清十郎はひくにひけない。その日は来た。吉岡の門弟約四十人のとりかこむ中で、武蔵の一撃は清十郎の肩をくだいた。




宮本武蔵 一乗寺の決斗  1964年(昭和39年) ★★★  宮本武蔵 巌流島の決斗 1965年(昭和40年) ★★★       
内田吐夢監督 主演:中村錦之助 入江若葉  木村功 内田吐夢監督 主演:中村錦之助 入江若葉  木村功
あらすじ あらすじ

洛北蓮台寺野で、名門京八流の宗家吉岡の御曹子清十郎の左肩を一撃のもとに打ち砕いた武蔵は、清十郎の弟伝七郎から仇敵とされ、吉岡道場門弟一同から居所を探られる破目となった。武蔵を探しているのは彼等ばかりではない。佐々木小次郎に追われる朱実、お杉婆ア、病床にふけるお通と、城太郎少年も武蔵の行方を追っていた。或る日、光悦にさそわれ遊廓扇屋に上る途中、伝七郎から果し状をつきつけられた。場所は蓮華王院三十三間堂、雪の中武蔵は伝七郎と相対した。青眼と青眼、二本の刀がひらめいた瞬間、武蔵は伝七郎と吉岡の門弟を薙ぎ倒していた。秘かに扇屋に戻った武蔵を吉野太夫はやさしくさとすのだった。翌朝、お通の居場所を知った武蔵は総門附近で吉岡一味にかこまれた。が突如佐々木小次郎が現われ、武蔵との決闘を決めた。明後日の朝、寅の下刻、場所は叡山道、一乗寺の麓薮之卿下り松、そして名目人は壬生源左衛門の一子源次郎を立てることに一決した。高札を見た群衆がひしめき、お杉婆アは息子又八の弔合戦といきみ合った。やがて当日、武蔵が叡山道にかかった時、病身のお通に会った。武蔵が斬り死にすれば自分も生きてはいないつもりというお通の言葉に、剣に生涯をかけた武芸者武蔵の心に、お通に対する恋慕がよぎった。一足先きに着いた武蔵は、松を中心に地形の頂点に立った。やがて吉岩方の姿が現われた。「七十三対一」瞬間、武蔵は相手方の配置を読み、地形を利用した自分の行動をきめた。「しかし勝負は何できめる、敵はおれ一人が目的、その俺の目標は、そうだ本陣だッ、総大将だッ」武蔵の見取図は源次郎少年を中心にひかれた−−白鉢巻の間の手裏剣、大小の二刀流の体ごと、下り松に向い疾風逆落しと見事、剣は風を切った。

一乗寺下り松に吉岡一門を葬った武蔵は、宿敵・佐々木小次郎との再会を約して、再び修業の旅に出た。その冬、武蔵は生活力のたくましい童子・伊織を知りその厳しい生活態度にうたれて、伊織と共に鍬を持ち荒地に挑んだ。やがて、武蔵の苦労がみのり二俵の米を得た秋、野盗が村を襲った。武蔵の怒りの剣はうなり、野盗は撃退された。農作期も終り伊織を連れて江戸へ出た武蔵は、計らずも立ち寄った研師厨子野耕介の家で小次郎の愛刀・物干竿を見た。小次郎は、細川藩家老岩間角兵衛に見出され、細川家の指南役にかかえられていたのだ。一方宿に旅装を解いた武蔵は、彼の腕前にホレこんだ博喰・熊五郎の世話でのどかな日を送っていたが、ある日小次郎から、居所をつきとめたお杉が町奴・半瓦弥次兵衛らを連れて乗りこんできた。が、この騒ぎも、折しも武蔵を迎えにきた将軍家指南役北条安房守の駕篭で難を逃れ、安房守の屋敷に入った。武蔵はそこで柳生但馬守と沢庵に会った。沢庵は柳生の庄で石舟斎の看病をするお通を呼び、将軍家指南として身をたてることを勧めた。だが、閣老会議は武蔵が年端もゆかぬ吉岡源三郎を斬ったことを理由に、これを却下した。数日後、武蔵は小次郎からの果し状を受け取った。決闘の場は豊前小倉。武蔵は伊織と佐渡宛の別れの書状を沢庵に渡すと京を後にした。一方、お通も沢庵から武蔵の消息を聞き、武蔵の後を追って小倉に向った。そして途中、又八、朱実、さらにお杉にも再会した。今ではお杉も、お通への誤解を解き自らの非を詑びるようになっていた。その頃武蔵は巌流島で小次郎と相対していた。小次郎の物干竿が一せんした。が、それよりも一瞬速く、武蔵の剣は小次郎を倒していた。うつ伏した小次郎を見下す武蔵の姿は凄まじいばかりの静けさをたたえていた。




乱れ雲  1968年(昭和43年) ★★★★         みだれ髪 1961年(昭和36年)★★★  
監督: 成瀬巳喜男. 出演: 加山雄三, 司葉子 主演:山本富士子 勝新太郎 川崎敬三 
あらすじ あらすじ

江田宏と由美子は幸福の絶頂にいた。江田は通産省に勤めていて米国派遣の辞令を受け、妻の由美子は妊娠していることを知ったばかりだった。だが、江田が交通事故で死んだのは二人が祝杯をあげてから間もなくのことだった。告別式の日、江田を轢いた三島史郎が現われた。由美子は史郎に激しい憎悪を感じた。史郎の起した交通事故は不可抗力で、彼は無罪になったのだが、彼は勤め先の貿易会社の死命を制する通産省の役人を殺したため青森へとばされ、常務の娘との婚約も破棄された。史郎は毎月一万五千円を十年間由美子に支払うと約束したが、史郎にとって少しも義務のないこの契約は、由美子の姉文子が行なった。由美子には毎月決って送られてくるその金は、つらい思いにつながって暗い気持ちにさせられるものとなった。彼女は夫の両親から籍を抜かれ、その上、胎内の子も捨てねばならなかったのだ。やがて、勤めに出た彼女は、身を寄せていた文子の家で、彼女の美貌に義兄の目が光るのを感じると、義姉の勝子がとりしきっている十和田湖畔の実家に帰った。青森で史郎を訪れた由美子は文子がとり決めた契約を破棄した。彼女は事件のすべてを忘れようと思ってのことだが二人は何度か顔を合わせた。いつか二人はお互いに愛を覚えるようになったが、由美子は史郎に自分の前から去ってくれと頼んだ。ある日、史郎が西パキスタンへ転勤を命ぜられ、二人は別れの一日を湖畔で過ごした。由美子は幾度か史郎の激情に押し流されそうになった。その度に彼女を押しとどめたのは前夫の想い出だった。その由美子の心が急に史郎に傾いたのは史郎の発つその日だった。だが、二人は嶮しい山道で悲惨な交通事故を目撃した。その有様は、かつてのいまわしい想い出そのままに、二人を重苦しくつつんだ。由美子は決して史郎と結ばれないことを悟った。

明治三十年、東京--深川の材木問屋の娘・勝山夏子が明石病院にかつぎこまれた。怪我をさせたのは両国のどじょう屋の板前・杉本愛吉で、酔ってふりまわした一升ビンが夏子の足にあたったのだ。夏子の手当をしたのは山ノ井光起という若い医師、彼には華族の娘貞子という婚約者がいた。いつしか光起と夏子は恋しあうようになった。光起の仕事を理解するため、夏子はドイツ語塾に通った。が、そこで身分が違うといじめられた。これを知った愛吉は塾に怒鳴りこんだ。それが原因で夏子はお出入り禁止、光起との交際も禁じられた。しょげる夏子をみる愛吉は、自分の彼女に対する愛を知った。深川の大火で夏子の家は丸焼けになった。病身の父と借財のため、夏子は光起をあきらめる決心をした。歳月は流れた--芸者になった夏子は小夏と名のり下田に流れていた。彼女を慕う愛吉は、近所の“河伝"に住みこんでいた。金でなびかぬ小夏に“河伝"の親爺が熱を上げ、刃傷沙汰を起し、止めに入った愛吉はクビになった。夏子は小田原に住みかえ、愛吉も後を追った。一日、愛吉の真情を知った夏子は、彼を箱根に誘った。一方、貞子との結婚に失敗した光起は悶悶の日を送っていた。たまたま熱海に行った光起は、夏子の消息を知り料亭相模屋で二人は再会した。その席へ出刃を持った愛吉がとびこんできた。彼は光起の気持を誤解したらしく、いきなり彼に切りかかった。それを止めようとして仲に入った夏子の脇腹にささってしまった。明日は二人で箱根に行くという前夜、愛吉に手をとられながら夏子は寂しく息絶えた。




乱れる  1964年(昭和39年)  ★★★★★         壬生義士伝   2003年(平成15年) ★★★  
監督:成瀬巳喜男 主演:高峰秀子 加山雄三 主演:中井貴一 佐藤浩市 三宅裕司 
あらすじ あらすじ

礼子は戦争中学徒動員で清水に派遣された際、しずに見染められて森田屋酒店に嫁いだ。子供も出来ないまま、夫に先だたれ、嫁ぎ先とはいえ、他人の中で礼子は森田家をきりもりしていた。森田家の次男幸司は、最近、東京の会社をやめ、清水に帰っていた。何が原因か、女遊びや、パチンコ喧嘩と、その無軌道ぶりは手をつけられない程だ。そんな幸司をいつも、優しくむかえるのは、義姉の礼子だった。再婚話しも断り、十八年この家にいたのも、次男の幸司が成長する迄と思えばこそであった。ある日見知らぬ女との、交際で口喧嘩となった礼子に幸司は、今までわだかまっていた胸の内をはきすてるように言った。馬鹿と言われようが、卑怯者といわれようが、僕は義姉さんの側にいたい」義姉への慕情が純粋であるだけに苦しみ続けた幸司だったのだ。それからの幸司は真剣に店をきりもりした。社長を幸司にしてスーパーマーケットにする話がもちあがった日、礼子は家族を集め『せっかくの良い計画も、私が邪魔しているからです、私がこの店から手をひいて、幸司さんに先頭に立ってスーパーマーケットをやって欲しい。私も元の貝塚礼子に戻って新しい人生に出発します私にも隠していましたが、好きな人が郷里にいるのです』とうちあけた。荷造りをする礼子に、幸司は「義姉さんは何故自分ばっかり傷つけるんだ」と責めた。『私は死んだ夫を今でも愛してる、この気持は貴君には分からない』礼子の出発の日、動き出した車の中に、思いがげない幸司の姿があった。『送っていきたいんだ!!いいだろ』幸司の眼も美しく澄んでいた。

幕末の京都、壬生で誕生した新撰組。そこへ一人の男が入隊してきた。盛岡の南部藩出身の吉村貫一郎だ。柔和な言動に反して、吉村の剣は何人も人を斬ってきたような剣だった。さらに吉村は何かにつけてお給金を請求するので、影では”守銭奴”という人も。隊長の近藤勇も一目置く斉藤一は、そんな吉村が気に入らない。命知らずの新撰組の中にあってなぜ吉村はそんなに命に、そしてお金に執着したのか?水と油の吉村と斉藤だったが、斉藤は徐々に吉村に興味を持つようになる。やがて、時代の変革の波は新撰組にも覆いかぶさってきた…。



未完の対局 1982年(昭和57年) ★★★★        ミラーを拭く男 2003年(平成15年)★★★  
 主演:三國連太郎 孫道臨 三田佳子  主演:緒形拳 栗原小巻 辺土名一茶
あらすじ あらすじ
日本の名棋士、松波麟作と中国の江南の棋王と謳われた况易山は、一九二四年、北京で運命的な出会いをした。その二人の対局は官憲により中断させられたが、江南の麒麟児といわれる况の息子、阿明は、その天分を伸ばすために、日本の松波のもとに預けられることになった。才能を発揮していく阿明は、松波のひとり娘、巴といつしか愛しあうようになる。しかし、日中戦争の激化のなかで、二人の恋愛関係は複雑な波紋を周囲に投げかけた。天聖位の獲得を契機に、阿明は祖国に帰って銃をとる決意をし、妻の巴を伴って、密行による国外脱出を企てる。しかし、出航を目前に、夜の埠頭で阿明は射殺され、巴は憲兵に逮捕される。戦後、すべての家族を失った况は、息子、阿明の消息を求めて焼跡の東京を訪ねた。だが、彼は阿明が、こともあろうに、松波の謀略で国外脱出の際、憲兵に射殺されたと知らされる。さらに况は、阿明の妻、巴の発狂した姿を見せられ、松波も戦死したと聞かされる。やり場のない怒りと絶望のなかで况は、中国に帰った。だが、実は松波は生きていた。しかし、すでに碁は捨てて酒びたりの自堕落の生活をしている。一九五六年、日中間の民間交流が芽ばえる中で、况のもとに松波の訪中が伝えられた。“松波が生きていた"すべてを忘れようとしてきた况にとって、それは複雑な動揺をもたらした。今や廃墟となった旧况家で、松波と况は再会するや、松波は誰にも言えなかった阿明の射殺の真相を告白した。ただ慟哭するばかりの况。しかし、阿明と巴の遺児、華林は明るく育っていた。その孫娘に促されるように、松波と况は、阿明と巴の遺骨を美しい大湖に沈めた。そしていつしか二人は、虚空の盤の上に、三十年前の打ちかけの碁を打ちはじめるのだった。 家族のために長年一生懸命に働き、定年を間近に控えたサラリーマン・皆川勤(緒形拳)。定年後は夫の退職金で、これからできなかった夫婦水いらずでゆっくりと老後を過ごそうと思っていた妻・紀子(栗原小巻)。しかし、その定年直前に、勤は思わぬ交通事故を引き起こしてしまう。それが、そもそものきっかけだった。勤は家族に内緒で会社を突然辞め、事故現場のカーブミラー、そして市内全部のカーブミラーまでをも拭き始める行動に出る。不可解な勤の行いを問いただす紀子、父の行動が理解できずに、冷たい態度をとる息子の芳郎(辺土名一茶)と娘の真由美(国仲涼子)。もともと無口だった勤は家族の話にも耳を貸さず、ただただミラーを拭き続けた。市内全てのミラーを拭き終えた時、勤は事故以来、久しぶりの達成感を抱く。それから彼は、家族の前から突如として姿を消し、北海道へ向かう。…それから3年、バラバラになっていた家族は、宮城で再会する。離れていた空白の3年間に、勤に一体なにが起こったのか?



 みすゞ 2001年(平成13年) ★★★★        みんなのいえ 2001年(平成13年) ★★★  
 主演:田中美里 加瀬亮 中村嘉葎雄   主演:田中直樹 八木亜希子 唐沢寿明
あらすじ あらすじ
1919年、山口県仙崎。叔母の死を機に、叔父・松蔵の後妻となった未亡人の母・ミチと共に下関で暮らすことになったテルは、小さな本屋で店番をしながら、みすゞというペンネームで詩を書くようになる。やがて、その詩は詩人で仏文学者の西條八十の目に留まり、次々と人気誌に掲載されていった。そんなテルの一番の理解者は、彼女に秘かな想いを寄せる従弟の正祐。だが、実は正祐は幼い頃に養子に出された彼女の実弟であったことから、世間体を憚った松蔵はテルを奉公人の葛原と結婚させてしまう。テルの結婚生活は不幸であった。葛原の放蕩、詩作の禁止、淋病の感染。そんな中、テルは命を削るような想いで、自らの作品を3冊の童謡集として清書する。たち行かなくなった生活に、遂に離婚を決意したテル。彼女は、葛原との間に生まれた娘・ふさえを連れて松蔵の家に戻る。だが、ホッとしたのも束の間、葛原が親権を主張し始めた。そして、明日はいよいよ葛原が娘を引き取りに来るという晩、テルは自ら命を閉じる。 脚本家の直介と妻の民子は、郊外の土地にマイホームを建てることになった。設計は民子の大学の後輩で新進気鋭のインテリア・デザイナー、柳沢に、施工は民子の父で昔気質の大工の棟梁・長一郎に依頼。ところが、おしゃれで開放感溢れるアメリカ建築をデザインする柳沢と、とにかく頑丈な和風建築を建てようとする長一郎は対立を始めてしまう。ぶつかり合う、妥協を許さないアーティストとしてのプライドと、職人として納期に間に合わせようとする職人の誇り。そんなふたりの間に立たされた直介と民子はおろおろするばかりだ。しかし、長一郎は柳沢がトイレのタイルに竹割りを指定してきたことから、柳沢は壊れた顧客の西洋家具を長一郎が見事な職人技で直したことから、次第に互いのことを認めるようになっていく。そして、いよいよお披露目の日。柳沢と長一郎は丘の上から完成した家を、感慨深げに眺めるのであった。



みをつくし料理帖 2017年(平成29年)NHKドラマ ★★★★ 水色の時 1975年(昭和50年)NHK朝連ドラマ ★★★★
主演:黒木華 安田成美 小日向文世 森山未來     主演:大竹しのぶ  篠田三郎  香川京子  米倉斉加年 
あらすじ あらすじ
1)
季節は秋。「つる家」という蕎麦屋の店主・種市は腰を痛め、上方から来た女料理人・澪(黒木華)に板場を任せることになった。その初日、澪が張り切って作ったのは戻り鰹の時雨煮。しかし初物好きの江戸っ子は、初鰹は競って食べるものの、秋の戻り鰹は“猫またぎ”と言って口にしない。澪も種市も、一口食べてみたら戻り鰹の美味しさがわかってもらえると、必死に売り込むが、客は見向きもしなかった。そんな中、医者の源斉が口にした何気ない一言をきっかけに、澪は思いもよらない客寄せ法を思いつく。
2)
「料理の基本がなってない」と澪に苦言を呈した武士の小松原。澪はその言葉が耳から離れず、自分の料理に足りないものは出汁であることに気づく。澪の母親代わりの芳は手本になる味を体験させようと、江戸随一と言われる料理屋・登龍楼に澪を行かせる。最高位の汁を味わった澪は、どうやったらその味が出せるのか試行錯誤するが、なかなかいい味の出汁が作れない。そこに、おりょう(麻生祐未)の夫がやってきて、研究中の出汁の味見をさせられる。その時、澪が思いついたこととは・・・
3)
澪が発案した「とろとろ茶碗蒸し」が、江戸の料理番付けに載った。しかも堂々の関脇だ。長年の夢がかなった種市は涙を流して喜んだ。しかし、評判をとったはずの「つる家」では急に客足が落ちる。つる家のとろとろ茶碗蒸しを真似た店が出てきたのだ。その店の名は「登龍楼」。料理番付けで大関をとった一流店だ。その事に我慢がならない芳は登龍楼に客として入り、とろとろ茶碗蒸しを一口食べる。と、そのまま調理場に駆けていき、料理長に文句を言う。澪が苦労して生み出した合わせ出汁を、そっくりそのまま真似たのが許せなかったのだ。しかし料理長からは言いがかりだと突き飛ばされ、怪我を負ってしまう。

長野県松本市安曇野を舞台に、医大生を目指すヒロインと看護婦の母という親子の交流を通して家族のあり方を見つめる作品。本番組より歴代の連続テレビ小説の放送期間が半年体制となっている。また2020年現在、放送映像が残っている作品の中で最初に、オープニングのタイトルロゴ横書きが採用された作品である。昭和天皇がこの作品をたいへん気に入り、1975年アメリカ合衆国訪問の際には留守を預かる侍従に「私のいない間、『水色の時』を録画しておいてください」と命じたというエピソードがある。脚本の石森史郎によると、ヒロインオーディションの最終選考に残ったのは15人で、NHKサイドはある一人をほぼ決めかけていたが、石森が作風に合うと感じた大竹しのぶを強く推して覆ったという。1975年の平均視聴率は40.1%、最高視聴率は46.8%(関東地区、ビデオリサーチ




都の風 1986年(昭和61年)NHK朝連ドラマ ★★★  みおつくし料理帖  2020年(令和2年) ★★★★
主演:加納みゆき  松原千明  黒木瞳  村上弘明 主演:松本穂香  若村麻由美 浅野温子 窪塚洋介
あらすじ あらすじ
戦中戦後の動乱期、京都の老舗繊維問屋の三女として生まれ育ったヒロイン・悠(加納みゆき)が、店の後継ぎのことで父に反抗して家出。大阪や奈良で自分の道を自分の力で切り開き、持ち前のバイタリティーで精いっぱい生きていく姿を描く。次女役は宝塚出身の黒木瞳、この作品がテレビドラマ初出演だった。 享和2年(1802年)の水害で両親を亡くし天涯孤独の身となった少女、澪は、大坂随一の名店と謳われる料理屋「天満一兆庵」の女将、芳に助けられ奉公人として勤め始める。やがて天性の味覚を主人の嘉兵衛に見込まれた澪は、厳しい修業に耐え、着実に腕を磨いていくが、隣家からの延焼で店は焼失してしまう。江戸店を任せていた息子の佐兵衛を頼って江戸へやって来た3人を待ち受けていたのは、佐兵衛が吉原通いで散財し店を潰し、行方をくらませているという報せだった。度重なる心労により、嘉兵衛は「天満一兆庵」の再興を澪と芳に託して亡くなってしまう。店の再興と佐兵衛の行方探しを胸に、慣れぬ土地で芳と暮らしながら働き始めた澪は、「祟る」と噂され荒れ果てた小さな稲荷を1人で整えた姿を見込まれ、蕎麦屋「つる家」の主人・種市に店で働かないかと誘われる。上方との味の違いから、当初は澪の作る料理は評判が良くなかったが、様々な人の助けを得て様々な新しい料理を考案し、愛し合った小松原との別れや、料理人仲間である又次の死などの悲しみを乗り越えながら、「つる家」を江戸で評判の店へと成長させていく。そんな中、澪は、吉原で幻の花魁と呼ばれているあさひ太夫が、水害で行方不明になった幼なじみ、野江であることを知る。いつしか澪は、自分の料理で評判を取り、その売り上げであさひ太夫を身請けするという、とてつもない夢を抱くようになる。そして、その夢の実現のため、「つる家」を辞めて新しい道に進むことになった。「つる家」を離れた澪は、あさひ太夫の客である摂津屋らの力を借り、あさひ太夫を吉原から取り戻すことに成功する。澪は、野江に戻ったあさひ太夫と、長年澪に恋心を寄せ、見守ってくれていた医師の源斉とともに故郷である大坂へ戻り、新しい人生を切り開くこととなった。



 ミワさんになりすます 2023年(令和5年) ★★★★★  年(年) ★★★
主演: 主演:
あらすじ あらすじ
久保田ミワは映画が大好きなフリーター。特に世界的大俳優・八海崇の大ファン。ある日ミワは八海邸が家政婦募集中なのを知る。好奇心から八海邸に赴いたミワは、屋敷の前でひき逃げ事件に遭遇。意識をなくした被害者は、採用された家政婦・美羽さくらだった。八海のマネージャー・藤浦に美羽さくらと間違えられたミワは、つい否定せずに八海邸内に招き入れられ…
新しく採用された家政婦と間違えられたまま、憧れの大俳優・八海崇の屋敷で働き始める。自分が別人だとは言えなかった。マネージャーの藤浦に伴われて初めて対面した八海は、想像通りの好紳士だった。ミワは初仕事としてリビングの清掃を始め、オタク知識を使ってボトルシップの台座をピカピカにしたことで八海に感謝される。その後空気の入れ替えのため窓を開ける
敬愛してやまない八海崇が苦心して作った大切なボトルシップを割ってしまう。処分を覚悟するように言う藤浦マネージャーだったが、八海はミワを咎めなかった。事故だから気にしないでほしいとミワを気遣う八海。感謝し敬愛を深めるミワは、これ以上嘘はつけないと告白の手紙を書いて八海に渡そうとするが、呼ばれて行った地下の書庫に二人きりで閉じ込められてしまう…ミワだったが…
憧れの八海崇と二人きりで地下書庫に閉じ込められてしまう。このチャンスに告白の手紙を渡そうとするミワだが、なかなか機会が訪れない。八海が地下書庫にいたのは、うろ覚えのセリフを頼りに古い台本を探すためだと知ったミワは、持ち前のオタク知識を発揮して見事に探し当てる。ミワが映画ファンであることを八海に知られててしまう。そして喜びのあまり思いもよらぬ行動に出た八海にミワは…
あらすじ




 
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